アクティブ・ノンアクション(不毛の忙しさ)2009/06/16 23:26

 不真面目な優等生とは、「何をすべきか」を知っていても、それを実行できない。このことを『アクティブ・ノンアクション』という。最近の会社ではこのような社員が増えてきている。このことが問題である。
 コアとは、やらなければいけない仕事。コアの中で管理、調整に明け暮れている輩は多いはず。それに対して、スペースとは、やれと指示されたものではないが、やれることを指し、何かを変えることができるものであり、変革と創造への挑戦が含まれている。
 このスペースをやれる真面目な不良になることが重要。

以下の3点が重要:
・荒野へ一歩踏み出す勇気
・中途半端な知識やスキルはいらない
・一番怖いのが、打算と計算

 今までの大半の会社では、「対応策」を部下に与え、実行させるために管理を徹底させた。この結果、深く考え抜く習慣やチームワークで仕事をするといった習慣が育っていない。会社に関心を持っていない「真面目」な社員は上記対応策をこなす仕事に不満は持っていても、本当の意味で困っていないのである。このような「裁き仕事」が増えると、手段が目的化してしまい、意味をなさない仕事が氾濫することになる。
 「なぜ」「何のために」などと深く考え抜いて仮説を作り、それを検証することが重要である。
 事業計画などは形のいいものを作る必要はない。あれもこれも色々考えているところは、綺麗さはない。

 対応策を与えるのではなく、環境を与えることにシフトする。
<考えざるを得ない環境>
   を用意し、
<チームとして仕事をする喜び>
   を経験でき、
<将棋を指しやすい条件>
   を整備していくことが必要

 考えざるを得ない環境とは、
1.お客様は誰か?
2.提供する価値は何か?
3.仕事の目的は何か?
4.自分にとっての意味は何か?

 チームとして仕事をする喜びには、チームワークの質を高めることも含まれる。具体的には以下に列挙する。
1.お互いに役割を確認し合う
2.味方として厳しく向かい合う(相手のいいところを見て上げる)
3.徹底的に議論する
4.当事者になる
5.目的を腹の底から共有する
6.会社に対する関心を共有する

 同僚は自分を助けてくれる存在である。ちなみに、お客本位といっている社長の会社は、決まって業績は増えていない。 周りが協力してくれる環境作りが必要。トップが変われと言っても、トップ自身が変わらなくては周りは変わらない。
 どうやったら問題解決を行っていくサイクルが回るような環境を作ることが経営者の重要な役割の1つである。『行動環境』を作るという。

 問題が解決されていないことが問題であり、問題があるのは、問題ではない。
 「個」を尖らせることにより組織を利用することができ、そして組織も改善することができる。最終的に周りが個を助けてくれるようになる。



HIMD Open Day 2009 パネルディスカッション
野口 智義氏  柴田 昌治氏
「考える個と組織一真の行動力を持つために-」より

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