人間の脳ってすごい ― 2008/05/17 12:36
人間の脳の中で記憶を司るところを『海馬(かいば)』といいます。
脳の神経細胞(1千億個くらい)は、1秒に1個くらいというものすごい勢いで減っていっていますが、その中で唯一神経細胞が増える場所でもあります。海馬の神経細胞の数は、1千万個くらいです。
つまり、脳は「入れ替えをしない構造」を作りますが、海馬は入れ替わるのです。 海馬は記憶を作るだけのところ、つまり、「記憶の製造工場」であって、保存するところではないので入れ替わった方がいいのだということが言えます。海馬は記憶に留めるかどうかを判断するところです。
海馬が発達すれば、たくさんの情報を同時に残そうとします。刺激の多い環境の人は海馬が大きくなるという実験結果があります。
海馬は隣にある、感情を司る扁桃体(へんとうたい)というものと密接に連絡を取っています。扁桃体を活性化すると海馬も活性化します。つまり、好きなものは憶えやすいといったことになるのです。扁桃体を活性化するためには、感情を豊かにすることが重要です。
何を記憶するかの基準は、海馬が扁桃体の感情を参照しながら情報を取捨選択していくのではないかと言われています。
海馬が破壊されると、すごいストレスがかかるそうです。逆に海馬が発達してくるとストレスはなくなります。海馬は新しいことを処理する能力に長けていると言えます。むしろ新しい環境とはストレスではないといえますね。
ところで、脳の神経回路は一度形成したら元には戻らない性質をもっていいます。これを脳の『可塑性(かそせい)』―粘土のようにぐにゃっと形が変形したら、もう元には戻らない性質のもの―といいます。これが記憶の仕方の特色です。
記憶には、2つのタイプがあります。
『ものを憶えるWHATの暗記メモリー(意味記憶)』
⇒単なる記憶
『ものの方法を憶えるHOWの経験メモリー(方法記憶)』
⇒自転車の乗り方や難問を解決する筋道など自分で試してみなければわからないものごとの記憶
この中で重要なのが後者の経験メモリーです。俗に言う、「頭のいい人」っていうのは、この経験メモリーの豊富な人のことをいうのではないでしょうか?
実は、「やる気」を生み出すところが脳の中にあります。
『側坐核(そくざかく)』というものがそれです。りんごの種のような小さい脳部位です。この神経細胞が活動すればやる気がでるのです。
では、やる気を出させるためにはどうすればいいのでしょうか?
「やる気がない場合でもやりはじめるしかない」というのが回答です。
え?っと思われるかもしれませんが、側坐核は、なかなか活動しない神経細胞です。ある程度の刺激が来たときだけ活動するといった少々厄介なやつです。一度始めると、やっているうちに側坐核が興奮してきて、集中力が高まり気分が乗ってくるといったことになります。
この現象は、クレペリンという心理学者が発見して『作業興奮』と呼ばれています。
ここでちょっと、ミクロな視点で、神経伝達物質という視点で見てみましょう。
側坐核は海馬と前頭葉(ぜんとうよう)に信号を送り、「アセチルコリン」という神経伝達物質を放出しています。実はこの物質がやる気を起こす原因だったのです。
このアセチルコリンの働きを抑えてしまうものが身の回りにあります。
一番顕著なのが、「風邪薬」、「鼻炎薬」、「下痢止め薬」などです。
風邪をひいたときに風邪薬を飲むと眠くなりますよね。これは、アセチルコリンの働きが抑えられてしまっているからなのです。だから、今日は受験とかいった勝負の日には、風邪をひいているからといって、風邪薬は禁物です。
今は、アセチルコリンの働きを抑える成分の入っていない風邪薬もあるそうです。その抑える成分で有名なのが、「ジフェンヒドラミンン」や「スポコラミン」です。 風邪薬を飲むときには箱の裏の成分をチェックしてみましょう。
脳の神経細胞(1千億個くらい)は、1秒に1個くらいというものすごい勢いで減っていっていますが、その中で唯一神経細胞が増える場所でもあります。海馬の神経細胞の数は、1千万個くらいです。
つまり、脳は「入れ替えをしない構造」を作りますが、海馬は入れ替わるのです。 海馬は記憶を作るだけのところ、つまり、「記憶の製造工場」であって、保存するところではないので入れ替わった方がいいのだということが言えます。海馬は記憶に留めるかどうかを判断するところです。
海馬が発達すれば、たくさんの情報を同時に残そうとします。刺激の多い環境の人は海馬が大きくなるという実験結果があります。
海馬は隣にある、感情を司る扁桃体(へんとうたい)というものと密接に連絡を取っています。扁桃体を活性化すると海馬も活性化します。つまり、好きなものは憶えやすいといったことになるのです。扁桃体を活性化するためには、感情を豊かにすることが重要です。
何を記憶するかの基準は、海馬が扁桃体の感情を参照しながら情報を取捨選択していくのではないかと言われています。
海馬が破壊されると、すごいストレスがかかるそうです。逆に海馬が発達してくるとストレスはなくなります。海馬は新しいことを処理する能力に長けていると言えます。むしろ新しい環境とはストレスではないといえますね。
ところで、脳の神経回路は一度形成したら元には戻らない性質をもっていいます。これを脳の『可塑性(かそせい)』―粘土のようにぐにゃっと形が変形したら、もう元には戻らない性質のもの―といいます。これが記憶の仕方の特色です。
記憶には、2つのタイプがあります。
『ものを憶えるWHATの暗記メモリー(意味記憶)』
⇒単なる記憶
『ものの方法を憶えるHOWの経験メモリー(方法記憶)』
⇒自転車の乗り方や難問を解決する筋道など自分で試してみなければわからないものごとの記憶
この中で重要なのが後者の経験メモリーです。俗に言う、「頭のいい人」っていうのは、この経験メモリーの豊富な人のことをいうのではないでしょうか?
実は、「やる気」を生み出すところが脳の中にあります。
『側坐核(そくざかく)』というものがそれです。りんごの種のような小さい脳部位です。この神経細胞が活動すればやる気がでるのです。
では、やる気を出させるためにはどうすればいいのでしょうか?
「やる気がない場合でもやりはじめるしかない」というのが回答です。
え?っと思われるかもしれませんが、側坐核は、なかなか活動しない神経細胞です。ある程度の刺激が来たときだけ活動するといった少々厄介なやつです。一度始めると、やっているうちに側坐核が興奮してきて、集中力が高まり気分が乗ってくるといったことになります。
この現象は、クレペリンという心理学者が発見して『作業興奮』と呼ばれています。
ここでちょっと、ミクロな視点で、神経伝達物質という視点で見てみましょう。
側坐核は海馬と前頭葉(ぜんとうよう)に信号を送り、「アセチルコリン」という神経伝達物質を放出しています。実はこの物質がやる気を起こす原因だったのです。
このアセチルコリンの働きを抑えてしまうものが身の回りにあります。
一番顕著なのが、「風邪薬」、「鼻炎薬」、「下痢止め薬」などです。
風邪をひいたときに風邪薬を飲むと眠くなりますよね。これは、アセチルコリンの働きが抑えられてしまっているからなのです。だから、今日は受験とかいった勝負の日には、風邪をひいているからといって、風邪薬は禁物です。
今は、アセチルコリンの働きを抑える成分の入っていない風邪薬もあるそうです。その抑える成分で有名なのが、「ジフェンヒドラミンン」や「スポコラミン」です。 風邪薬を飲むときには箱の裏の成分をチェックしてみましょう。
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