運輸省自交局「デジタコ」を認定/11年春にも製品化へ ― 2006/05/27 23:56
運輸省自動車交通局は1日、トラック業界などから要望の強かったデジタル式運行記録計(デジタルタコグラフ)の認定基準を制定した。認定申請の受け付け開始は平成11年1月からで、実際に市場に出回るのは11年の春ごろになりそうだ。 車両総重量8トン以上・最大積載量5トン以上の大型トラックなどについては、運行記録計の装備が義務付けられている。従来は、アナログ式のものが一般的だったことから、アナログ式だけが認定されていた。しかし、デジタル式は、データ解析などが迅速・容易で、労務管理などにも利用できることから、急速に普及してきている。 現時点では、デジタル式は認定されていないため、アナログ式と併用しなければならず、デジタル式の単独使用を求める声が強くなってきていた。ただ、デジタル式は記録データが人の知覚で直接認識できないことに加え、保存データの改ざんの恐れが消えないことが課題となり、これまで認定されずにいた。 今回、技術的検討の結果として、(1)運行速度・距離・時間を一定時間以下の間隔でサンプリングして記録すること(2)事務所に置く機器に改ざんの有無を発見するための機能を備えること(3)事故現場などで車載器の共通出力端子などから記録データを読み取れること(4)事務所側での汎用(はんよう)パソコンの利用も可能とし、その場合は解析ソフトだけを認定対象とすること――などを技術的要件して定めたもの。 また適正な運行管理のため、記録・保存が義務付けられている運行データなどの電磁的記録に関して、その基本的取り扱いと、運送事業者の順守事項についても定めた。 ただ、認定申請の受付開始については、初めて電磁的記録方式を採用するものなので、認定のための試験設備の整備期間と、認定基準に基づく試作品による試験方法などの検証を行う期間も考慮し、11年1月とした。メーカーによる製品開発も1年程度かかり、最初は申請から認定まで2~3カ月程度かかるものとみられることから、実際に製品化されるのは11年春以降になりそうだ。
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